採血のお話

検査の内容と、検査時の注意などについて説明しています。

採血管のひみつ

採血管画像

  • 検査のための採血量は合計でどのくらいなのでしょうか?
    採血管本数や採血の量は患者さんによって異なりますが、多くの方は約大さじ1杯分以内です。採血管の本数に比べて意外に少ないのは、その1本1本に入る量が少量ずつだからです。
  • 採血管が何本も分かれているのはなぜでしょう?
    検査項目によって採血管の中に入っている薬の種類が違うためです。また、機械でころころと転がしているのは、採血管の中の薬と血液をよく混ぜるためです。検査の内容はコンピューターで管理しているので採血管には書いてありませんが、気になるようでしたら主治医にご相談ください。

いざ、採血!(1)

お名前をフルネームで教えて下さい。

採血するときによい服装は?

採血の際の服装

まず、上着は脱いでお待ちください。そして袖まわりのきついものは避けましょう(特に冬の時期には注意しましょう)。採血するときには袖を上まで上げさせていただきます。この時、袖まわりがきついと、採血後、血液が漏れやすくなります。

血管が見える人と見えない人がいるのはどうして?

このことは、個人差ということに他なりません。人はそれぞれ血管の走行が違ううえ、血管の太さ、深さ、硬さも違います。(また、血圧の低い方は血管が見えにくいうえに血液がなかなか出てこないので、時間が長くかかることもあります。)
『血管を太くしたい』というのは、ちょっと難しい問題だというところが本音です。

採血前にはリラックス!! さあ、深呼吸をしましょう!!

採血前はリラックスを

採血前は誰でも緊張してしまうものですが、リラックスすることも重要です。

スムースな採血のために!!

採血する方の腕を採血する前まで心臓より下にしておいたり、暖めておくことも効果があります。受付でホットパットをお貸ししています。暖めておきたい方は受付に声をかけて下さい。

消毒綿でかぶれたりします・・・・。

採血をする時には、アルコールを染み込ませた綿を消毒に使用しています。アルコールに過敏な方は、アルコール綿を使うと赤くなったり、かゆくなったり、はれたりします。お酒に弱い方に多い傾向があるようです。あらかじめおっしゃっていただければ、別の消毒綿を使用致します。

握った手はいつ開く??

採血するとき手を握っていただきますが、これは血管をよりハッキリさせるためと、手指からの血流を増やすためです。手を開いてしまうと血流が弱くなったり、急に手を開いたことによって腕が動き、針が血管から外れてしまうことがあります。
なるべくなら採血が終わるまで握ったままにしておいてください。もし、握っているのがつらくなった場合には、遠慮なくおっしゃってください。


いざ、採血!(2)

針を刺した時に痛みをともないます。とても痛い場合は我慢をしないで採血者に伝えて下さい。

血液の色がきたないけれど大丈夫?

赤血球は酸素君と仲良し

赤血球は酸素君と仲良し

血液の色、赤というより少し黒い感じですよね。どうしてでしょうか?採血した血液の色が黒っぽいのは、静脈の血液だからなのです。血液は静脈の血液と動脈の血液とに分かれます。動脈血は、肺で酸素をもらい各組織に酸素を運ぶ血液です。たくさんの酸素が含まれていて、鮮紅色をしています。
それに対して静脈血は、酸素を組織に運び終わった血液です。静脈血に含まれる酸素量はとても少なく、体に不要な老廃物や、二酸化炭素を多く含んでいるので、暗赤色をしています。

採血して感染は大丈夫なのでしょうか?

採血するときの注射器、針、採血管も含めて、全てディスポーサブル(一回限り使用の使い捨て商品)のものを使用しています。
たまに一回の採血で必要量が採れず二回刺すことがありますが、この場合も全て新しい針で採血しています。なお、この針や注射器は滅菌(すべての菌を死滅させている状態)してあるものです。ご安心ください。

採血管に勝手に血液が入っていくのはどうしてでしょう。

採血画像1

陰圧になっているところに血液が入っていきます。

採血中によく見ていると、何もしないのに血液が採血管の中に『す-っ』と入って行きます。とても不思議ですよね。これは、採血管の中が陰圧になっているためです。採血管の種類によっては、線が引いてあるものがあります。この線まで入れると、血液と薬の混ざり具合がちょうど良い状態になるようになっていて、その線まで入ると自然に止まるようになっているのです。

採血する腕はどっち?

血液さらさらのお薬を飲んでいる方、治療をしている腕、シャントがある腕、以前痛かった腕がある方は採血者に伝えて下さい。人それぞれ顔が違うように、血管の走行も人によって違います。どちらの腕の方が良くて、どちらの腕の方が駄目だと言うことは特にありません。杖をついている方は、杖をつかない方の腕を出されたほうがよいでしょう。しかし、血管が出にくい方はやむなくそちらの腕から採血することもあります。この場合は5分間、座っておさえてから移動するようにしましょう。


採血後の疑問

採血の後押さえる理由は?

採血後、すぐに血液がとまるわけではありません。血液が止まっていないまま重いものを持ったり、押さえなかったりすると出血が進みあざになったり、血液がもれたりして、服を汚してしまうことがあります。
採血の後消毒綿をテープで止めたその上から親指で強く5分間程圧迫します。このとき、決して揉まないようにしましょう。血液がにじみ出てしまい、青くなってしまいます。

採血画像2

腕を曲げて押さえるのも効果があります。 決してもまないようにしましょう! うまく押さえることができない場合には、押さえる包帯もありますので遠慮なくおっしゃってください。

綿は、どのくらい付けておくの?

女性画像

アルコール綿は、血液が止まったらすぐに外してください。かぶれたり、赤くなってしまいます。

採血した日は、プールやお風呂に入って良い?

入浴画像

採血したことによって皮膚と血管は怪我をした状態になりますが、血液がしっかり止まっていれば、お風呂に入っても全く問題ありません。

針を刺した所や周りが青くなってしまったときには?

針を刺したところや周りが青くなったことがありますか?これは打ち身と同じ状態で、血管の外へ血液が漏れたことによって内出血が起こったためです。また、うまく採血が出来ても採血が終わった後に良く押さえないと血液がなかなか止まらず青くなったりすることもあります。
もし青くなっても、しばらくすると青黒いものが黄色くなって7~10日ぐらいで自然と消えます。ただし、痛みが続く場合は、主治医または中央採血室へ連絡して下さい。


血液検査に必要な手技 採血について

採血により、体の中を流れている血液を検査のために採取します。この検査は、病気の診断、病状の把握をするために必須な痛みをともなう医療行為です。
当採血室での採血は、国家資格を有する「臨床検査技師」と「看護師」が担当しており十分な管理のもとに細心の注意を払って実施させていただいております。
しかし時には採血針を刺しても採血できない場合、1回の採血で必要な血液量が採取できない場合があります。その際には部位を変えて再度、採血させていただきますことをご了承くださいますようお願い申し上げます。
また、まれに採血に伴う合併症が起きることがあります。
以上の点をご了解の上、採血をお受けいただきますようお願い申し上げます。

採血に伴う合併症

採血は基本的には安全な手技であり、合併症の頻度は極めて少なく、また軽症なものが多いとされております。ごくまれに以下のような健康被害を生じるとの報告があります。

止血困難・皮下血腫

穿刺後の不十分な止血操作などが主な原因です。十分な圧迫止血を5分間していただきますようお願いいたします。○抗凝固剤を内服されている方や、出血しやすい方はお申し出ください。

アレルギー

採血時の消毒薬などでかゆみ、発疹を初めとするアレルギー症状が出現することがあります。○アレルギーをお持ちの方はお申し出ください。

神経損傷

採血後も手指へ拡がる痛み、しびれなどが持続します。約1万~10万回に1回の頻度で起こるとされています。多くは1周間以内に、大部分は3ヶ月以内に改善します。

血管迷走神経反射

神経が興奮し、急激に血圧が下がるため、めまい、気分不快感、意識消失などをひきおこします。○経験上ご気分が悪くなったことのある方はお申し出ください

採血について不明な点、不安な点がございましたら、ご遠慮なくスタッフにお申し出ください。

都立大塚病院検査科 中央採血室