血管の老化と新しいアンチエイジング
【後編】~血管を若返らせる新常識──AGE対策と7つの健康習慣で“10年後の自分”を守る

血管の老化とアンチエイジングについて、東京都立大塚病院 循環器内科 荒尾 正人 医長に聞きました。
循環器内科| 東京都立大塚病院 | 東京都立病院機構(tmhp.jp)
私たちの体の中で、もっとも休むことなく働き続けている器官のひとつが「血管」です。心臓から送り出された血液を全身に届け、細胞に酸素と栄養を運び、老廃物を回収する。まさに生命活動の根幹を支えるインフラと言えるでしょう。しかし、この血管は年齢とともに確実に老化し、放置すれば動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞といった重大な病気につながります。
後編となる今回は、近年注目されている「AGE(終末糖化産物)」を中心に、血管を若返らせるための新しい視点と、今日から実践できる生活習慣について紹介します。
新しい動脈硬化予防「AGE(終末糖化産物)」とは?
AGEとは、糖とタンパク質が高温で加熱されることで生じる物質で、体内に蓄積すると老化を促進し、動脈硬化の進行にも深く関わるとされています。いわば「体を焦がす物質」とも言える存在で、食事からの摂取量が多いほど血管の老化が進みやすくなります。
<AGEの多い食品>
- パンケーキ30g:679KU
- ワッフル30g:861KU
- フライドポテト(ファーストフード)100g:1522KU
- ポテトチップス30g:864KU
一方、ご飯100gは9KUと極めて低い値です。
同じ「炭水化物」でも、調理法や加工度によってAGE量は大きく変わることがわかります。
調理法でAGEは激増する
例えば、じゃがいもは茹でればAGEは低いままですが、揚げてフライドポテトにすると数十倍に跳ね上がります。 同じ食材でも、調理法を変えるだけで血管への負担が大きく変わるのです。
日常の食事で「焼き色が濃い」「カリッとした食感」「香ばしい焦げ目」が好きな方は、知らず知らずのうちにAGEを多く摂っている可能性があります。 もちろん、これらを完全に避ける必要はありませんが、頻度を減らすだけでも血管の老化を抑える効果が期待できます。
AGEを減らす生活習慣
AGEの摂取を減らすために、今日からできる工夫を紹介します。
- 野菜を多く摂る:野菜に含まれる抗酸化物質は、AGEの害を抑える働きがあります。
- 緑茶を飲む:カテキンがAGEの生成を抑えるとされ、食事と一緒に飲むと効果的です。
- 焼き色の強い食品を控える:焦げ目がつくほどAGEは増加します。焼きすぎ・揚げすぎに注意しましょう。
- 揚げ物の頻度を減らす:週に数回食べている方は、まずは「週1回」に減らすだけでも大きな変化になります。
AGE対策は、動脈硬化の予防だけでなく、肌の老化予防にもつながるため、美容面でもメリットがあります。
日常の食事で「焼き色が濃い」「カリッとした食感」「香ばしい焦げ目」が好きな方は、知らず知らずのうちにAGEを多く摂っている可能性があります。
もちろん、これらを完全に避ける必要はありませんが、頻度を減らすだけでも血管の老化を抑える効果が期待できます。
今日から始める「血管アンチエイジング」──7つの健康習慣
血管の健康を守るために特に重要な「7つの健康習慣」をお示しします。どれも特別なことではなく、生活の中に無理なく取り入れられるものばかりです。
<7つの健康習慣>
- 禁煙
- 定期的な身体活動
- 適切な飲酒
- 7〜8時間の睡眠
- 適正体重の維持
- 朝食を食べる
- 間食をしない
これらを続けることで、確実に血管の若さが保たれます。特に禁煙は、血管の健康に最も大きな影響を与える習慣のひとつです。
血管の若さは“生活の積み重ね”で決まる
動脈硬化は静かに進行し、気づいたときには重大な病気を引き起こします。 しかし、危険因子の多くは生活習慣の改善で確実に減らすことができます。
- タバコをやめる
- 塩分を控える
- 適度に運動する
- AGEの多い食品を避ける
- アルコールを適量に
- 野菜を増やす
これらはすべて、今日から始められることばかりです。
血管の健康は、特別な医療技術よりも、日々の生活習慣の積み重ねで守られます。 10年後の自分のために、今日の一歩を大切にしていただければ幸いです。
最終更新日:令和8年5月15日


