2001年9月号 全国社会保険指導者研修会のご報告

2001.9月号

 先月号で予告しましたように、9月5日に神田の日本教育会館で日本歯科医師会と厚生労働省共催の全国社会保険指導者研修会が開催され、日本大学補綴 学教室の五十嵐教授、当院神経内科の長尾先生、それと私の3人が「根拠に基づく歯科医療」というメインテーマでそれぞれの立場から学術講演を行いました。
 800席ほどある会場は全国の都道府県から集まった代表で満員でした。先ず、日大の五十嵐教授が「咬合器付着した模型での診査・診断・治療」と題して、 診断用模型での検討がいかに大切であるか、興味深い症例を交えて講演しました。続いて私が「全身的合併症患者の注意点と検査値の捉え方」というテーマで日頃の体験に基づいたお話をいたしました。最後に長尾先生が「内科医からのアドバイス」をなさいました。

 歯科医向けの講演会でお医者さんが話される場合、お話のピントが微妙にずれてしまい、種々の合併症について歯科医の立場 から本音で聞いてみたい情報が得られない場合が多いものです。
主催者から私に講演依頼があった際、もう一人の講演者・お医者さんについての人選は一任されました。当院のお医者さんにはお話の上手な方が非常に多く、 今回のテーマからは一も二もなく長尾先生にお願いしたのでした。
予想以上に長尾先生のお話は面白く、コンピューター(パワーポイント)を駆使した人の心を逸らさない講演で、私の目からも鱗が何枚も落ちました。
対応の難しい患者さんを初対面で見分けるコツでは
1.複数の病院に通院している患者さん
2.既往歴が3つ以上ある患者さん
3.内服薬を5種類以上投与されている患者さん
4.複数の安定剤や睡眠薬を同時に内服している患者さん
5.本人よりも同伴のご家族の口数が2倍以上ある場合
等々、実戦的で説得力のある、非常に分かりやすいお話でした。長尾先生のテキストだけでも一見の価値があります。ご希望の方は連携室のご一報いただければファックスでお送りいたします。
8月半ばから今回の講演準備にかかりきりで、今月はご報告のみにさせていただきました。来月号より、また、いろいろな話題をお届けいたします。

歯科コラム