2014年11月号 痛みの原因は??

2014.11月号

 痛みを主訴に歯科を受診される患者さんの多くは虫歯か歯周病が原因です。医科の疾患には種々の検査を行いようやく診断にたどりつく某TV「ドクターG」で紹介されるようなケースも多いと思われますが、通常一般歯科においては診断に費やす時間は短いのではないでしょうか。

先日、10代の男性が原因不明の左下奥歯の痛みで来院されました。鎮痛剤で何とか我慢されているようですが、5月に虫歯の治療をしてから発症したとのことです。かみ合わせの調整~親知らずの抜歯~三叉神経痛の治療で、歯科医院数軒、大学病院、耳鼻科クリニックと通院歴を重ねましたが治らないという経過です。左下の奥歯は虫歯の治療後ですが再治療の必要はなさそうでしたし、これほどの治療歴ですからちょっと普通の歯痛とは考えにくいところです。当院でも麻酔科、神経内科に対診をお願いし、疼痛の原因を探っていました。しかしながら2週間経ち、さらに痛みがひどくなり「夜泣いている」とお母様からお聞きし、いくらなんでもということで反対側の左上奥歯を何気なく指で触ってみたところ「うっ!!」と顔をのけぞらせました。
原因は下ではなく上の歯だったのです。

詰め物を除去してみると歯髄が壊死している状態でした。診断がつけば処置はシンプルなのですが、今回のように症状が増悪した際に、上下どちらの歯が痛いのか分からなくなることは多くの歯科医師が経験されていると思います。ご本人の愁訴と客観的所見が一致しない場合、ゴールにたどり着くまでに寄り道・回り道をすることも多々あります。翌日、お母様から「夜、薬を飲まなくても寝られるようになりました」と連絡をいただきホッと胸をなでおろした次第でした。 

(注)11月26日(水)に恒例の城南7歯科医師会合同懇親会を開催いたします、是非皆さまご参加ください。

歯科コラム