2006年9月号 みんな働き蟻

2006.9月号

 中年の女性患者に「イ・ビョンホンに似てる」と言われ、帰宅して韓国映画通の山姥に伝えたら、一笑に付された最近の私です。
 正確な月日は忘れましたが、数年前の朝日新聞夕刊に働き蟻についての記事が載りました。ある昆虫学者が働き蟻の生態をつぶさに観察したものでした。「働き蟻」といえば暑い夏の日も一生懸命働きまくっているイメージを受けますが、群れをよく観察しますと、その名にふさわしい働き者は全体の6割ほどで、2割は「適当に働き蟻」、残りの2割は「怠け者・穀潰し」なのだそうです。その学者は2割の「怠け者」を群れから除去してみました。そうすれば群全体が文字通りの働き集団になるのではと考えたからです。ところが結果は、「働き」「適当」群からそれぞれ下の群に成り下がるものが出てきて、結局元の6:2:2に落 ち着いてしまったのだそうです。人間が営むいろいろな組織に似ている、と記事は結んでいました。
 前号でお知らせしたように6月29日の午後、歯科連携医にお勤めの歯科衛生士さんの集いが当院でありました。「お互いの顔が見える連携」を目指し、当科 の歯科衛生士達が企画したものです。10人程も集まって下されば・・・、との予想は大きく外れ、なんと40人を超える衛生士さんにご参加いただき、小さな 会議室はいっぱいの大盛況でした。看護担当科長の挨拶の後、開院以来12年に渡る当科の連携活動について、臨床例を交えて私がお話しました。ついで活発な フリーディスカッションがもたれました。感染対策や有病者対処法について取り上げて欲しい、とのご要望が特に多く寄せられ、次回に企画する予定です。
 当科は歯科医・歯科衛生士の10割全てが地域へのサービス精神旺盛な「働き蟻」で占められています。
P.S. 7月11日に日本歯科医師会提供の日本テレビの番組「ご存じですか」に当科の連携活動が紹介されました(通算2度目)。逆紹介先を教えて欲しい、との電話が番組直後から舞い込みました。一緒にご出演下さった品川区歯科医師会藤井重壽会長をはじめ連携医皆様のご支持のおかげです。ありがとうございました。

歯科コラム