放射線治療は、生活を支える“やさしい医療”です
東京都立荏原病院がんサポートチーム
放射線科医長 和田紘幸
がんの治療と聞くと、どうしても不安が先に立ちます。
中でも放射線治療は、「痛いのでは」「高齢者には難しいのでは」といったイメージを持たれがちです。
しかし、実際の放射線治療は、体への負担をできるだけ少なくしながら、がんと向き合うための心強い選択肢です。
放射線治療は“痛みのない治療”
放射線は体の外から当てるため、照射中に痛みや熱さを感じることはありません。
治療時間は数分ほどで、特殊な治療でも20〜30分程度です。
体力に不安がある方でも受けやすい治療です。
がんを治すためにも使われます
放射線治療は、がんを治すための治療として広く行われています。
手術後の再発予防や、抗がん剤との併用など、状況に応じてさまざまな形で活用されます。
治療期間や方法は、がんの種類や進行度によって変わります。
つらい症状をやわらげる力もあります
- がんによる痛み、しびれ、圧迫感、出血などは、日常生活に大きな影響を与えます。
- 放射線治療は、こうした症状をやわらげるためにも役立ちます。
治療回数は1〜16回ほどで、体調に合わせて無理のない方法を選びます。
注目情報骨転移の痛みに
背中や腰などに痛みが出る骨転移では、痛みの原因となる場所に放射線を当てることで、数日〜数週間かけて痛みが軽くなることがあります。
注目情報脳転移の症状に
脳転移では、頭痛や吐き気、麻痺などが起こることがあります。
症状が出る前でも、悪化を防ぐ目的で治療を行うことがあります。病変の数や場所に応じて治療方法を選びます。
進歩する高精度治療
複数の脳転移に対して一度にまとめて定位照射ができる治療法や、体に負担をかけずに頭部を固定できるマスクなど、技術は大きく進歩しています。より短い時間で、より正確に治療できるようになっています。
おわりに
放射線治療は、がんを治すためにも、つらい症状をやわらげるためにも使われる、幅広い治療です。
痛みや息苦しさなど、気になる症状があれば遠慮なく相談してみてください。
治療が役立つかどうかは、主治医と一緒に考えていくことができます。
(2026年7月18日荏原病院公開講座「大腸がんと診断されたら」より)


