もっと知って“放射線検査のいろいろ” ~放射線科で迷子にならないために~
皆さんやご家族が体調不良などにより病院受診した際、外来医師は、問診・視診・触診・聴診などから患者さんの病気原因を探っていきます。しかし、なかなかそれだけで異常を絞り込むことはできないため、病気を大まかにふるい分けするための基本的な検査を実施します。
尿検査・血液検査・心電図検査・X線検査など、短時間で結果がわかるため効果的であり、どのような病気か診断に繋げられます。それでも病気が確定できない場合があります。例えば、「X線検査でちょっと胸部に影が見えますので、CT検査を行いましょう」「骨の密度が少ないようなので、骨塩定量検査をしましょう」など、より詳しい検査を必要とされる場合があります。
ここで???となることはないでしょうか?CT検査も骨塩定量検査も放射線検査の一部なのですが、なぜ検査の呼び方の違いがあるのか、それぞれの異なる検査機器があるかわかりにくいですよね。
今回は、それぞれの放射線検査の特徴などを簡単にご紹介いたします。病院受診された際、放射線科で迷子にならないためにもお役立てください。
一般撮影検査(白黒写真のオールラウンダー)
一般撮影検査は、レントゲン検査などとも呼ばれており、学校や職場の健康診断で行う胸のX線検査、骨が折れていないかなどを調べるときに使われるなど、最も身近な放射線検査です。X線という見えない光を目的とする体部分に当て、光の通りやすさの違いを利用して体の中を“白黒写真”のように映し出します。撮影は短時間で終わり、痛みもありません。患者さんの負担が少ないため、基本検査にて使われています。最近ではフィルムを現像する方式ではなく、デジタルカメラのように撮ってすぐ画面で確認できる仕組みに変わっています。
マンモグラフィ検査(微細病変描出のスペシャリスト)
マンモグラフィ検査(乳房撮影検査)は、乳房の病変を早期発見するためのX線検査です。
検査を受けたことがある方は、乳房を押され少し痛い経験をされたことでしょう。なぜ乳房を圧迫する必要があるのでしょうか?乳房を機械にて、薄く押し広げることで乳腺組織の重なりが少なくなり、小さな異常を見落としにくくなるからです。また、厚みを減らすことで使用する放射線の量を少なくできるという目的もあります。乳房検査で使用する放射線の量はごく微量です。1回の撮影は、日常生活の中で宇宙や大地など自然界から受けている放射線量とほぼ同じレベルであり、健康に悪影響を及ぼす心配はありません。検査による放射線の影響より、早く病変を見つけるメリットの方が大きいことになります。超音波検査との違いはどうでしょう。マンモグラフィは“X線”を使用し、砂粒のような微細な病変(初期のサイン)を見つけるのが得意です。一方、超音波検査は放射線を使用せず、“音波”を使用します。放射線による被ばくがなく、ゼリーを塗って機器を当てるだけなので痛みもありません。こちらは乳房内の「しこり」を見つけるのに適しています。
CT検査(スピード勝負のカメラマン)
CT検査は、X線を使って体の中を輪切りにしたような画像を作る検査です。X線をグルーッと体の周りに回転させて撮影します。CT検査の最大の武器は、そう“スピード”です。代表的な利点として、
- 数秒で撮影できる
- 動いていても比較的ブレにくい
- 骨や肺などの“硬い組織”も観察できる
などが挙げられます。例えば、交通事故でケガをした人が運ばれてきたとき、“とにかく早く全身の状態を知りたい!”という場面ではCT検査が大活躍します。骨折、出血、肺の病気などを見つけやすいのです。
MRI検査(じっくり観察するリサーチャー)
MRI検査は、磁力とラジオ波を使って、水素原子の反応から体の中を描き出します。時間はCTより少し長くかかりますが、異なる組織を多くに描写することができる能力はずば抜けています。MRI検査が得意なのは、-脳 -筋肉 -靭帯 -神経 -関節 -腫瘍(しゅよう)など、体の“やわらかい組織“の観察です。脳の病気や関節の炎症、スポーツでのケガ(靭帯断裂など)では、MRIの独壇場です。CTが“速写カメラ”なら、MRIは“高性能な望遠レンズでじっくり観察するカメラ”という感じです。
今回は、4つの放射線検査の特徴をご紹介させていただきました。
今後、機会があれば、その他の検査や放射線を使用した治療に関しましてもご紹介できればと思います。また、東京都立病院機構ホームページから、各病院放射線科の検査内容や機器等もご覧になれます。併せてご参照いただければ幸いであります。
放射線の検査内容や放射線被ばくなどに関するご質問は、担当される医師や診療放射線技師等にお尋ねください。
東京都立病院 放射線科


