【公開講座ダイジェスト!】医療ソーシャルワーカーについて(患者・地域サポートセンターからのおはなし)

治療と生活を支えるつながった支援

荏原病院 患者・地域サポートセンター 
社会福祉士・精神保健福祉士

〜医療ソーシャルワーカーが支える安心〜

病気の治療を続けるとき、身体のことだけでなく、生活や仕事、家族のことなど、さまざまな心配が生まれます。

病気になったら、「これからどうなるのだろう」「生活は続けられるだろうか」という不安を抱える方は少なくありません。

医療ソーシャルワーカーは、こうした不安に寄り添い、治療と生活の両方を支える専門職です。
経済的な支援、仕事との両立、権利擁護、退院先の支援など、幅広い領域で患者さんとご家族を支えます。 治療と生活は切り離せるものではなく、安心して生活できるように支えるのが、ソーシャルワーカーの役割です。

1.経済的な不安を軽くする支援

  • 注目情報医療費・生活費の負担を減らす制度の活用
    治療が長期にわたると、医療費や生活費の負担が大きくなることがあります。
  • 「治療費が払えるか不安」「仕事を休むと収入が減ってしまう」──こうした悩みは、多くの患者さんが抱えるものです。

    医療費の自己負担を軽くする制度や、収入が減ったときに支える仕組みを活用することで、治療をあきらめずに続けられるよう整えます。
  • 高額療養費制度
  • 限度額適用認定証
  • 医療費控除
  • 傷病手当金
  • 障害年金
  • 労災保険
  • 生活福祉資金貸付
  • 無料低額診療事業 など

これらの制度は、知っているかどうかで負担が大きく変わります。
早い段階で相談することで、申請期限の過ぎてしまう心配や、知らないまま負担が増えてしまう事態を防げます。

  • 注目情報「お金の心配で治療をあきらめない」ために
    ソーシャルワーカーは、家計や収入の状況を一緒に整理し、使える制度を見つけ、申請の方法や手続きを支援します。 「知らなかったから使えなかった」という状況をなくすことが大切です。

また、介護保険や障害福祉サービスの申請を行うことで、生活の負担を軽くすることもできます。
経済的な不安が軽くなることで、治療に専念できる環境が整います。

2.治療と仕事・学業・育児の両立を支える支援

  • 注目情報本人・主治医・職場をつなぐ調整役
    治療の副作用や通院の頻度によって、働き方や学業の進め方を見直す必要が生じることがあります。
  • 「治療を続けながら働けるだろうか」「学校に戻れるだろうか」「子育てや介護と両立できるだろうか」──こうした悩みは、生活の大きな不安につながります。
    ソーシャルワーカーは、本人・主治医・職場をつなぎ、仕事と治療の両立支援、休職や時短勤務の相談、産業医との連携などを行います。

注目情報使える制度や支援の紹介

  • 休職・時短勤務の相談
  • 傷病手当金や休業制度の活用
  • 両立支援コーディネーターとの連携
  • 育児・介護との両立に向けた地域資源の紹介

治療と仕事の両立は、本人だけでなく家族の生活にも影響します。 早めの相談が、安心して治療を続けるための大きな力になります。

3.本人の意思と権利を守る「権利擁護」

  • 注目情報判断能力が低下しても、その人らしい選択を守る

    病気の進行や高齢により判断能力が低下すると、自分の希望を伝えにくくなることがあります。
  • 「説明がよく分からない」「どう決めたらいいか迷う」──そんな時に、ソーシャルワーカーが寄り添います。

    説明の理解を助けたり、本人の希望を医療チームに伝えたりすることで、本人らしい選択を支えます。

注目情報安心して生活を続けるための制度につなぐ

  • 成年後見制度
  • 日常生活自立支援事業
  • 虐待や消費者被害の早期発見
  • 身寄りのない方の生活支援
  • 苦情や不安への対応

制度は「代わりに決める」ためのものではなく、本人が自分らしく決められるように支えるための道具です。
本人の意思を尊重しながら、安心して生活を続けられるように支援します。

4.退院後に安心して過ごせる場所と暮らしを整える退院支援

  • 注目情報入院早期からの準備が安心につながる

    退院後の生活は、医療だけでなく、介護、住まい、家族の支えなど多くの要素が関わります。
  • 「家に帰れるだろうか」「介護はどうしたらいいのか」「施設を探す必要があるのか」──退院は大きな転換点です。

  • ソーシャルワーカーは、入院早期から本人の希望や家族の状況を丁寧に把握し、在宅療養、施設入所、転院などの選択肢を一緒に考えます。

注目情報退院後の生活を支える具体的な支援

  • 介護保険の申請
  • ケアマネジャー・訪問看護との連携
  • 住環境の整備
  • 地域の支援機関への引き継ぎ

退院は「治療の終わり」ではなく、安心して暮らせる場所と支えを整えることで、治療の継続にもつながります。

困りごとは小さいうちに相談を

ソーシャルワーカーの支援は、経済、仕事、権利、退院後の生活といった個別の領域に分かれているように見えますが、実際にはすべてがつながっています。

生活の不安が軽くなることで治療に集中でき、仕事との両立が整うことで家族の負担が減り、権利が守られることで本人らしい選択ができ、退院後の生活が整うことで安心して療養を続けられます。

相談は無料で秘密は守られます。 迷ったときは、遠慮なく医療相談室や患者サポートセンターに声をかけてください。

あなたの治療と生活を支え、安心して歩めるように、ソーシャルワーカーが寄り添い続けます。


(令和8年9月12日(土)開催 東京都立荏原病院公開講座「緩和ケア」より)

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